高校生のための 投資ってどうなの?教室

第5回:会社の「ひみつ」を調べる

こんにちは、Incbird編集部です。
シリーズの5回目です。
今回は、投資にとってもこのサイトの使い方にとっても重要な内容になっています。他の回より長文です。

会社には「ひみつ」がある

ひみつというと、なんかの謎や隠された価値のような意味として受け止められるかもしれません。ここで説明する「ひみつ」は下記の要素の頭文字から取ったものです。

「ひ」
必要とされているか?
「み」
未来をみすえているか?
「つ」
強みはどこか?

この「ひ」「み」「つ」は、会社を理解するための重要な項目になります。

「ひ」必要とされているか?

その会社が世の中から一瞬にして消えるとしましょう。その場合、誰がどのように困るでしょうか?困った人があまり出なければその会社は、あまり「必要とされていない」のかもしれません。

その会社の商品がどれほど求められているかを考えるためのヒントをいくつか書いてみます。

世の中にある「困っている」ことに対応していないと、その商品やサービスが存在する価値がない

その会社の「商品・サービス」は「どんな人」の「どんな課題」を解決しているのかを想像してみることが重要です。

次に

「誰」が「どんなこと」に困っていて、その人がどれくらいいるか?

これを考えたり、調べたりすると「商品・サービス」のマーケットの規模が類推できるようになります。

最後に

売上が伸びているか?
すなわち必要としている人が
増えているか?

売上が伸びているということは、その商品やサービスに人気があるということです。競合商品を売っている会社と比較すれば、どちらがマーケットで人気があるかが分かる場合もあります。

全ての業績の基となる「売上」の伸びに注目してみましょう。バードでは左の翼(向かって右)に売上の伸びの特徴が現れます。

「み」未来をみすえているか?

未来をみすえて経営しているかどうかは、投資判断をする際、とても重要な項目です。

未来にチャレンジしている会社が、将来より良い業績を収めるかは分かりません。チャレンジにはリスクがあるからです。

ただ、チャレンジをしていない会社は、長期目線でみると良い業績を出すことは、ほとんどありません。

チャレンジしているかどうかをチェックしてみましょう。

将来の価値創造のために、チャレンジと努力をしているか?

を調べたり、考えたりする要素をまとめると

大きく、ステキなビジョンを持っているか?

が基本となります。ビジョンやパーパスは、外部の顧客にブランドとしてどんなメッセージを伝えるか?あるいは価値づくりする社員に目的意識や存在意義などの会社の方向性を示すメッセージとしても使われます。

この言葉に何を選び、どんなビジョンを共有したいと思っているかは、その会社の将来の姿を考えるための大きな情報源です。あなたが、そのメッセージに共感できるかがポイント。

商品を作り出す設備に投資しているか?

これは、投資キャッシュ・フローなどで確認することができます。大雑把には「右手(向かって左)が上がっているか」を確認すれば分かります。

詳しくは、有価証券報告書などを読んでみてください。何にどれくらい投資したのかが書かれていると思います。ルール上「定期預金に預けた」だけでも右手が上がります。ちゃんと商品の未来生産のために投資しているかを確認しましょう。

新しい商品の企画や研究にしっかり投資しているか?

これは、研究開発費で確認することで分かる場合があります。バードでは「右の翼(向かって左)の上から二枚目の羽の根本の赤」の一部がそれです。具体的な数字や内容は有価証券報告書などをみる必要があります。

スタッフが新しい価値を作り出すための仕組みや方法を組織として準備しているか?

これについては、バードで詳しく見ることは難しいです。会社に聞くなり調べるなりの活動が必要です。よく言われるDXなどによる業務の効率化や情報価値の顕在化もこれに当たります。

人材教育や働き方などもこれに当たります。どう確認するかは次の回以降のテーマにします。

「つ」強みはどこか?

強みはどこかを、大まかにいうと「経営者は強いか?」「商品やサービスは強いか?」「営業力など売る力が強いか?」などが主な項目になります。

経営や商品や営業や会社の持つ文化や組織やブランドや知名度が他社と比べて強いのか?

最初は

経営者の会社の経営能力やリーダーシップは強いのか?

ですが、これは実際にお会いしたり、インタビューを参考にしたりします。ただ、結果としてどのような実績を残してきたのかも重要な要素。バードの形が好調な姿を続けているかだけでなく、リスクを踏まえてチャレンジしているかのか?株主にどのようにアプローチしているのかも判断する必要があります。

商品やサービスは、他社と比べて強いのか?品質、認知度、ブランドは強いのか?

商品やサービスが強いかどうかを確認するには、あなた自身がその会社の商品を使って、どう優れているのかを感じるのが基本となります。

BtoBのビジネスの場合も、その業界や競合商品と比較してどうかを判断できる対象である必要があります。評価できないものを判断材料にするのは控えた方が良いと思います。

商品やサービスを売る力は強いのか?売る場所、売る人、売る方法が強いのか?

売る力の真実を知るのは難しい課題です。決算での結果は知ることができるので、売上の伸びや利益率の推移に注目したり、バードで把握することはある程度可能です。

ただ、例えば空調を販売している会社がインドでクーラーの販売を加速するために「サブスク」方式をとっているなどの情報は、個別に調べたりする必要があります。

これらはニュースにアンテナを張ることや、会社に直接質問したりする必要が出てきます。

まとめ

会社のひみつを調べて理解することは、投資にとって極めて重要です。

具体的なアプローチの方法は、別の記事や、図鑑の解説などでお伝えしていきます。

とりあえず
❶自分のよく知っている会社について調べる
❷気に入ったバードの会社について調べる

この二つの方法がおすすめです。

バードの見分け方については、別の特集を組むので、タイムラインをご確認ください。

この連載も折り返し地点を迎えました。
次回は、仮に社長に質問をするために何を準備するか?を考察していこうと思います。
皆さん、お楽しみに。